JELAの難民支援事業は、1984年に日本の外務省の要請に応じる形で始められました。支援を続ける中で、難民申請者が経済的負担の心配なく住める住居が必要であるとの認識に立ち、1991年からは住居提供を中心とした支援活動を展開しています。現在は東京都内に「JELAハウス」と称するシェルターを2棟所有・運営し、主に生活面・健康面等でニーズが高い難民申請者の方々にご利用いただいています。また、出身国で十分な高等教育を受けられなかった難民の方々が、日本の大学や大学院に合格したにもかかわらず財政的余裕がない場合に、卒業までの学費を提供することも活動の大きな柱にしています。
難民シェルター「JELAハウス」
JELAハウスでは、2棟合わせて17人/世帯が独立して居住できる空間が確保されています。キッチン、冷蔵庫、洗濯機、布団などの生活必需品が備わっているため、入居した日から問題なく生活を始めることができます。居住者が経済的に出ていける状態になるか、住宅に関する公的サポートが得られるまで無償で提供し、水道光熱費もJELAが負担しています。
居住者は、経済的に困窮する難民申請者の方々が中心で、UNHCR、難民事業本部、NGO等からの紹介に基づいて、必要度を判断して入居していただいています。
難民のための奨学金制度
JELAは現在、難民のための奨学金プログラムを2種類用意しています。詳しくはそれぞれのページをご参照ください。
- 難民専門学校教育プログラム(RVEP)
専門学校への進学を希望する、公的に難民と認定されている方々を対象とするプログラムです。UNHCR駐日事務所と共同で実施しています。 - JELAフィロクセニア奨学金
大学等の高等教育を志望する難民や難民申請者を対象とするプログラムです。学費等に対して、一人あたり年間最大120万円を最長4年間支援します。
他団体との協働
難民を支援するにあたり、JELAは国内の主要な難民支援NGO十数団体の連携組織であるNPO法人「なんみんフォーラム(FRJ)」に加盟し活動を展開しています。また、ルーテル難民協力懇談会を年3回主催し、難民行政に関与する内閣官房、法務省、外務省の担当者やUNHCR、難民支援NGOの関係者を招待して、インフォーマルな形での情報交換を行い、実のある難民保護を目指しています。